053ドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」を観る

布施辰治生誕130年,韓国強制併合100年だった昨年に完成した映画の上映があった。9月3日(土)と4日(日)の両日各2回ずつの上映だった。
「生きべくんば民衆とともに,死すべくんば民衆のために」で知られる布施辰治の生涯は,前進座の創作劇『生きべくんば――弁護士 布施辰治』(2007年3月)や孫である大石進著『弁護士 布施辰治』(西田書店,2010年3月15日発行,[isbn:9784888665247],後日紹介予定)で知られるようになった。韓国では日本での再評価に先立って,「日本人シンドラー」としてテレビで紹介され(2000年),韓国政府が布施に建国勲章を授与していた(2004年)。
朝鮮独立運動への支援,普選運動や関東大震災時の真相解明,借家人同盟の結成,朴烈・金子文子の弁護,台湾精糖会社がらみの農民支援,岩手県の入会権紛争などなど任侠を弁護士の使命とした布施辰治の一生が描かれていた。
治安維持法違反で逮捕されのちに獄死した三男杜生(もりお)の死を乗り越えて戦後の弁護活動に情熱を傾けた布施辰治。98分間のドキュメンタリーには「世の中に一人だって見殺しにされていい人類はいない」布施のメッセージが再現されていた。