京都大学メールマガジンで知った研究(→http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/111226_1.htm)。
- オリジナル
- Vinai Norasakkunkit and Yukiko Uchida. Psychological Consequences of Postindustrial Anomie on Self and Motivation Among Japanese Youth. Journal of Social Issues, Vol. 67, No. 4, 2011, pp. 774--786 (→http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1540-4560.2011.01727.x/abstract)
概要を読むと,ニートやひこもり傾向の因子として,①「職場や仕事で我慢できないことがあれば無理せずにやめた方がいいと思う」といったような考えを持っていること(フリーター生活志向性),②「コミュニケーションをとるのが難しい」といったような自信のなさを表すこと(自己効能感の低さ),③「将来何をしたらよいのかわからない」という要素(将来に対する目標の不明瞭さ),を挙げている。
つぎに,「ニート・ひきこもりのリスクの高い傾向にある人々は,失敗の後に努力することをやめ,あきらめてしまう傾向があるといえる。その背景には「努力しても無駄だ」というような,適応力に対する自信のなさ,可塑的な人間観・人生観の欠如が見られる」とし,10年前に比べて「一生懸命課題に取り組むという傾向が減退していたことがわかった」という新しい知見を述べている。