844いよぎん地域経済研究センター『愛媛の観光――5つの観光地にみる現状と課題――』

書誌情報:いよぎん地域経済研究センター,122頁,非売品,2013年4月1日発行

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伊予銀行の調査研究部門のいよぎん地域経済研究センター(IRC)の調査報告書である(プレスリリース→http://www.iyobank.co.jp/library/new/press/13-067.pdf)。愛媛の主要な観光地,特徴的な観光地として松山,しまなみ地域,新居浜,内子,松野の観光地の現状と課題をまとめている。また,金沢,飯山,小布施,高山,朝来,智頭,熊本,綾,台湾の取り組み事例を報告している。
最新の愛媛県の調査(平成24年度「観光客数とその消費額」→http://www.pref.ehime.jp/h30200/kankoutoukei/h24kankoukyakusuu.html)も発表された。これによると観光客数は2,523万5千人(県外客991万7千人,県内客1,531万8千人)で,1969年の調査開始から3番目に多かったという。県内で最も人出が多かったのは道後温泉で106万1千人。
本報告書によれば,たとえば松山について,機能充実,ビジネス客,住民意識,道後温泉本館改修を課題に挙げている。年間10万人以上来訪施設の愛媛県美術館,えひめこどもの城,坂の上の雲ミュージアム,子規記念博物館,民芸伊予かすり会館のほか石手寺や大山寺などを主要観光資源としている。評者好みの砥部焼も誇れる観光資源だと思うのだが,どうだろう。
道後温泉の観光資源のひとつとして足湯・手湯の設置をあげ(2003年「第6回人に優しい地域の宿づくり賞厚生労働大臣賞」受賞),「現在では11カ所」としている。「なにわや」にかつてあった足湯がなくなったことをふまえて正確に記している(「道後温泉の足湯のベストスリー」→https://akamac.hatenablog.com/entry/20110521/1305984534)。ゼミの資料として使う予定だ。