1318真保裕一著『ローカル線で行こう!』

書誌情報:講談社文庫(し-42-43),555頁,本体価格880円,2016年5月13日発行

ローカル線で行こう! (講談社文庫)

ローカル線で行こう! (講談社文庫)

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宮城県にあったくりはら田園鉄道をモデルに,赤字第三セクターもりはら鉄道が舞台だ。通称もり鉄は原坂市と森中町を総延長42キロ,全17駅中14駅が無人駅の設定で,赤字解消策を託されたのが地元出身で元東北新幹線のカリスマ・アテンダントの篠宮亜佐美が主人公である。宮城県から出向し副社長としてもり鉄再生を担うのがもうひとりの主人公・鵜沢哲夫だ。
ローカル線再生を目指しさまざまな試みにそれを妨害する不穏な動きと問題が出来する。もり鉄が再建されてしまっては困るどす黒い陰謀が次第に明らかになる。
著者の本格的ミステリーの連作はひと頃よく読んだ。本書は社会派ミステリーを通しての地方への応援小説としておもしろく読めた。