002経済学史学会第71回大会前日

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明日から学会が始まる。会場は福岡市にある九州産業大学だ。前日には幹事会や委員会がある。幹事は3期6年を終えて首になったが,ある委員会は連続している。今日はその委員会があり,終了後九州産業大学にいる知人の研究室を訪ねた。
まず山田鋭夫さん。委員会のミーティングに使った会議室の向かいが研究室だった。最近翻訳された翻訳書をいただいたお礼。お礼というには手土産もなかったが。翻訳書は,アンドリュー・E・バーシェイ著山田訳『近代日本の社会科学――丸山眞男宇野弘蔵の射程――』(NTT出版asin:4757140800)だ。すでに日経新聞に書評が出ていたのは知っていたが,毎日新聞5月13日付けには伊東光晴の書評があり,コピーをいただいた。評者は現在本書に格闘中であり,このブログで紹介しようと思っている。
二人目は岡村東洋光さん。ロックの政治思想やオーウェンの社会改良思想に詳しい方だ。岡村さんからは昨年出された翻訳書をいただいた。アン・ヴァーノン著佐伯岩夫・岡村訳『ジョーゼフ・ラウントリーの生涯――あるクエーカー実業家のフィランソロピー――』(創元社asin:4422143662)である。原著は1958年に出版されたもの。ジョーゼフ・ラウントリーは英国ではよく知られた人物とのことで,チョコレートメーカーとして事業を成功させ,1904年に3つのトラストを創設し,ヨークを拠点として自発的な社会貢献と社会改良活動をおこなった。ヨークの貧困調査をおこなったベンジャミン・シーボーム・ラウントリーの父親だ。「フィランソロピーの先駆者」と帯にあるからには,文化経済学も担当する評者の必読文献だ。本書についてもあらためて本ブログで紹介しよう。
山田さん,岡村さん,アポなしの突然の訪問にもかかわらずありがとうございました。きちんとしたレビューでお返しします。