東京都美術館(2007年10月10日〜12月24日)の「フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術」に行ってきた。京都展(京都市美術館,2007年7月14日〜9月24日)に続く「東京展」だ。
日曜日とあって,上野の森も美術館も人が一杯。シャガール展(上野の森美術館)はすでに見たことがあり,またムンク展(国立西洋美術館)は来年1月6日までということで,今回はフィラデルフィア展に。
25万点ものコレクションから印象派と20世紀の美術に絞った80点ほどの作品は,ルノワール,モネ,ゴッホ,セザンヌ,マティス,ピカソなど多くの著名な画家の作品を中心としている。展示は,19世紀中葉からの写実主義,印象派とポスト印象派を経て,20世紀のキュビスム,シュルレアリスムからアメリカ現代美術へとアクセントを付けていた。
イヤホン解説は渋滞のもとだ。また,ポッドキャスティングによる配信と図録のCD-ROM版も是非実現してほしいものだ。
何度も行った上野の森。東京文化会館の裏手に「正岡子規記念球場」があるのに初めて気がついた。「春風や まりを投げたき 草の原」の句碑も建っていた。「都立上野恩賜(おんし)公園野球場」を2006年7月21日に「正岡子規記念球場」という愛称にし,同時に句碑も作ったとのことだ。知らなかったのは評者だけらしい。子規の本名は「昇」という。これをもじって「野球(のぼーる)」と名付けたことはよく知られている。
タイトル | 執筆者 |
---|---|
フィラデルフィア美術館について | アン・ダノンコート(フィラデルフィア武術館館長) |
フィラデルフィア美術館における,印象派・現代美術コレクションの歴史 | マイケル・R・テイラー/ジェニファー・A・トンプソン(フィラデルフィア美術館学芸員) |
明治から大正期に至る印象派絵画の受容――コローからモネ,ルノワールへ | 井出洋一郎(東京純心女子大学教授) |
カタログ | - |
1 写実主義と近代市民社会――1855-1890年 | - |
2 印象派とポスト印象派――光から造形へ | - |
3 キュビスムとエコール・ド・パリ――20世紀美術の展開 | - |
4 シュルレアリスムと夢――不可視の風景 | - |
5 アメリカ美術――大衆と個のイメージ | - |
サロン・キュビスムとアメリカおよび日本のモダン・アート | 清水佐保子(京都市立芸術大学芸術資料館学芸員) |
作家解説 | - |
作家生没年表 | - |
出品リスト | - |
An Overview of the Philadelphia Museum of Art | Anne d'Harnoncourt |
History of the Impressionist and Modern Art Collections | Michael R. Taylor and Jennifer A. Thompson |
The Reception of Impressionist Paintings in Japan from Corot to Monet and Renoir from the 1870s to the 1920s | Yoichiro Ide |
"Salon Cubisme": its influence on American and Japanese Modern Art | Sahoko Shimizu |