010ルーブル美術館展および図録

東京への出張を利用して,「ルーブル美術館展――フランス宮廷の美――」(東京都美術館,1月24日〜4月6日)に行ってきた(神戸市立博物館,4月26日〜7月6日)。
いきなりミラボー肖像画だった。このミラポーは,フランス革命の指導者ミラボーの父であり,ポンパドゥール夫人,ルイ15世の侍医をつとめた。また,フィジオクラート(重農主義者)のケネーと親交を結んだことで知られている。さらに目についたのが置き時計。ついつい文字盤を見てしまう。時計の文字盤には「IV」ではなく「IIII」を使っているのは当然か。さすがに例外はないようだ。
今回見たかったポンパドゥール夫人の肖像も第2のコーナーにあった。「我亡きあとに洪水は来たれ」「あとは野となれ山となれ」の言葉で有名だ。『資本論』にも出てくる。ポ夫人についてはほかにコーヒーミルやミニアチュールも展示されていた。
図録は金箔のカバーに入っていた。カタログのそれぞれの説明も詳しく,カタログというよりひとつの読み物になっている。ポ夫人の技術と学術への関心に焦点をあわせた解説は評者の関心にぴったり合っている。

タイトル 執筆者
18世紀フランス宮廷の栄華 マルク・バスク(矢野陽子訳)
ロカイユ様式から新古典主義 フレデリック・ダサス(矢野陽子訳)
カタログ -
I 最愛王・ルイ15世の時代 -
- I-1 装飾への情熱
- I-2 宮廷生活
- I-3 新しい趣味
II ルイ16世の時代 -
- II-1 新古典主義
- II-2 最後の王妃
物語を織る 大野芳材
ポンパドゥール侯爵夫人が宮廷人として必要とした技術と学術 乙葉 哲
マリー=アントワネットと日本 岡 泰正
関連家系図及び姻戚関係 -
関連年表 -
和文主要参考文献 -
欧文主要参考文献 -
出品作品リスト -