国立科学博物館で開かれているダーウィン展に行ってきた。2005年のアメリカ自然史博物館から始まった世界巡回の日本版。花見の週末と重なり,上野の森は人で一杯だった。
長谷川眞理子著『ダーウィンの足跡を訪ねて』を紹介したことがあったが(http://d.hatena.ne.jp/akamac/20070523/1179914249),本展はダーウィンの生涯と進化論の誕生の経緯,現代の進化学説までとりあげていた。春休みとあって,多くのちびっ子たちが来ていた。いや老若男女といったほうがいいだろうか。
社会科学とのかかわりでは,マルサスとマルクスについて,それぞれ『人口論』アメリカ版初版(ダーウィンが読んだのは第6版)とマルクスのエンゲルス宛手紙(マルサス理論の応用についての批判)が展示されていた。手紙はもちろんアムスの社会史国際研究所所蔵オリジナルのコピーだ。あとで紹介する図録では,マルクスからのダーウィンへの献呈本(『資本論』)写真が掲載されている。
2009年は,ダーウィン生誕200年,『種の起源』150年にあたる。
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- 東京展:2008年3月18日(火)〜6月22日(日) 国立科学博物館
- 大阪展:7月19日(土)〜9月21日(日) 大阪市立自然史博物館
- 公式ウェブ:http://darwin2008.jp/
- 国立科学博物館:http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2008/darwin/index.html
内容からみると科博のウェブのほうがはるかに充実している。
図録は,アメリカ自然史博物館の資料にもとづくサイエンスライター渡辺政隆の執筆によるほか,写真,トピックス,コラムなどもある。大きな括りの5章と小見出しで構成されている。ほぼ展示と対応している。