062牛たんよりホヤでしょう

午前中,「るーぷる仙台」に乗る。大崎八幡宮前を通るからである。かつて住んでいたところは八幡宮前をちょっと東に行ったところなのだが,まったく思い出せない。まだ路面電車が通っていた頃,たしか「八幡3丁目」(旧宮城第一女子高校,現宮城第一高校の最寄り駅。一女も共学になっている!)の電停があったはずだ。バスから雰囲気だけ懐かしむ。何回か言葉を交わしたことがある一女高生は今も住んでいるのだろうか。
さて,昨夜は「伊達の牛たん広瀬通店」に入る。ホテルから近いのとついでに仙台きっての繁華街「国分町通」と「稲荷小路」(アーケードのある「一番町通」のそれぞれ二筋,一筋西側)を歩くためである。牛たん店は一人でも,家族連れでも,カップルでも入って違和感がないモダンな店作りだ。カウンター席もあり,一人でも気軽に利用できる。ここの牛たんは「芯たん」と称して店の表が持ち帰りようの商品が一杯置いてある。注文したのは,「厚切り芯たん定食」でこれで1,470円である(もちろんビールは別)。芯たん焼,麦ご飯(おかわり自由),テールスープ,漬け物,南蛮味噌漬けがセットになっている。実を言うと仙台時代には牛たんを食したことがなかった。仙台の牛たんが有名になったのはここ数十年だから無理もない。「国分町通」や「稲荷小路」は純粋無垢な少年が行くところではなかったが,今は綺麗な通りになっている。
「稲荷小路」の北(定禅寺通に近い方)にある「旨味・太助」やちょっと下ったところにある「味・太助本店」は行列ができている。仙台駅3階にある「牛たん通り」や隣の「エスパル」にはいくつか有名牛たん店がある。時間があれば「稲荷小路」まで行くことをお勧めする。

今日は一旦ホテルに戻ってから,ホテル向かいの「晩翠草堂」,「芭蕉の辻」――「南 江戸69次 日本橋迄93里 奥州街道」,「北 津軽45次 三厩迄107里22丁 奥道中」とあった。ちょうど日銀仙台支店の西側――を経て,「稲荷小路」の最北(定禅寺通の南)に向かう。おでんの老舗「おでん三吉」が目的地である。


ここは60年の歴史があり,青森・脇野沢産のイワシの焼干しと昆布で出汁をとり,30種類のタネが自慢の店である。「茶碗蒸し風のニラ玉」や「サンマのすり身」が人気だ。評者の目当ては別にあって,この時期でないと食べることができない「ホヤ(海鞘)」がそれである。さっそく,酢の物,刺身,天ぷらを注文する。来店したことがある,セルジオ越後荒川静香の写真が飾ってあった。
左から,酢の物,刺身(殻が付いている),天ぷら。小さい頃毎日のように食べていた酢の物は絶品だ。仙台といえば牛たんという人が多いが,いやいや仙台はホヤですぞ(採れるところは三陸だが)。蘊蓄を傾けると,昔は石巻気仙沼から毎日のように行商が来て,ホヤを殻ごと買う。中身を食べ,殻を汲み取り便所(ぼっとん便所)に捨てる。殻は毒を持っており,この毒が便所の蛆を殺す。宮城県の便所には蛆がいなかったのだ。やがて殻は腐り,人糞肥料として再利用される。有機農法のサイクルに組み込まれていたのだ。
おでんはもやしとわらびを注文し,さらには昆布を平らげ,梅茶漬けで締めた。広瀬通に面したスタバで休憩し,iPadWiFi が繋がることを確認してホテルに帰る。


さて,肝心の PCC 。毎年楽しみにしている IT フェアを覗く。メーカーブースをまわり,ハードとソフトの情報を収集する。メーカーブースでは各種グッズをいただく。左から,富士通のペンシルケース,モリサワのノート2種と SOPHOS のノート,USACO のメモ帳,真ん中は Transcend のボールペンとバッグ,BENQ の大型ケース,モリサワのボールペンと扇子,YEC のマイクロファイバクロス,EndNote と manaba のボールペン,右に Fuji Xerox のマグカップ, OKI のメモパッド,付箋紙,ボールペン。
真ん中の BENQ のケースは,受付で当たったもので,景品としては高額のものだ。一点だけ用意していたもので,一昨年の慶応 SFC での ScanSnap に次いで嬉しい景品になった。ホテルで iPad を入れてみた。