(1)書誌情報:岩波ジュニア新書(658),iv+223頁,本体価格840円,2010年6月18日発行
- 作者:佐藤 誠司
- 発売日: 2010/06/19
- メディア: 新書
- 作者:小池 直己
- 発売日: 2010/07/22
- メディア: 新書
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英語を再学習することにしたというわけではなく,生協で本を物色していたらたまたま目に入った英語本だった。岩波ジュニア新書は発刊以来31年になり,当初のジュニア向けという発行姿勢は不変ながら,読者の方がポストジュニア世代になったと言われている。ついには評者のようなおじさん世代も買っている。
(1)は,日常で使う中学生レベルの基本的な文法知識を解説している。英語感覚を重視して,簡単な表現と伝えたい情報を正確に話すことにポイントをおいている。短い文で英語らしい表現をするために必要な文法書といえるだろう。
「今朝私が家を出るとすぐに雨が降り出した」を No sooner had I left home this morning than it began to rain. ではなく, It began to rain just after I left home this morinig. で表現すればいいとなれば,基本的な文法知識と多少の単語力でカバーできる。
(2)は,単語はこれだけ覚えなければいけないということからではなく,数・人間・自然・科学・社会・言葉など同じ意味をもつ単語を整理したもの(接頭辞・接尾辞からのものも含む)。接頭辞=単語の意味づけ,語根=語源の中心,接尾辞=品詞決定という英単語の構造を理解して,英単語を覚えようというわけだ。日本語でたとえば女偏や魚偏をまとめて覚えるのに近い。a から始めて abandon で終わってしまった経験を持っている人にとっては目鱗だ。任意のページを開いたり,これはと思う語根を確認してもおもしろく読むことができる。
ジュニア世代に独占させてはもったいない。おじさん世代はせっかくだからジュニア向けの良質のエキスを栄養分にしようぜ。
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