230大学犬はなちゃんの日常(その220)

会議を終えて研究室に向かう途中,ちょうど散歩に出かけるはなちゃんに遭遇した。これからキャンパス内一周に向かうところだ。風が強くピンクの首輪は飛ばされてしまったが,寒そうにしている人間どもとは違って嬉しそうにしている。はなちゃんは寒さには強い。元気なはなちゃんを見るのがなによりの活力源だ。
安藤忠雄私の履歴書」の第15回は,愛犬コルビュジエについて綴っていた(日経新聞,2011年3月15日付)。近所の子犬の一匹が彼(彼女?)で,82年から16年飼っていたそうだ。「私たちの事務所は梅田近くにあり,所員の多くも事務所の近くに住んでいる。ほとんどのマンションでは動物を飼うことはできない。命あるものと触れ合わないと,人間の感性は次第に鈍っていく。16年にわたり,事務所でモノ言わぬ犬を飼うことによって,所員たちも他者の思いを察知する訓練ができたのではないかと思う」。
テレビの視聴からは東北各地の避難所には動物のニオイがまったくしない。死者が5千人,行方不明者が1万6千人(3月16日現在)。生きるのに精一杯なのはよくわかる。こんなときこそ「モノ言わぬ犬」の日常もなにかのよすがになればいい。