742横山雅好総監修檜垣實男監修愛媛大学医学部附属病院栄養部編『ホテルシェフと大学病院の管理栄養士が考えたおいしくやせる480kcalのレシピ』

書誌情報:PHP研究所,95頁,本体価格1,300円,2012年7月4日発行

  • -

入院経験はないのだが,肉親・知人の見舞い時の見聞をもとにしていえば,病院食は最低限の栄養補給を優先したメニューと学校給食を思わせる無機質の器を定番としている。自己免疫力や体力を維持するために食事が大事であるとする病院が,そこで提供する病院食については食欲をそそらず,華やかさを欠いた食事であっては元も元も子もない。「従来の病院給食はカロリー計算や栄養量の計算は厳密に行いますが,材料費やコストとの関係もあり,味や見かけは二の次という傾向」(はじめに)があった。
愛媛大学附属病院では数年前から味つけや盛りつけのプロであるホテルの運営業者と協力し(=病身食への民間業者参入),病院の管理栄養士によるカロリー計算や栄養価計算を組み合わせた給食を提供している。そのノウハウをもとに健康とダイエットを兼ねたレシピ本が本書である。一食480キロカロリーの30献立(肉8,魚介類11,卵・豆腐4,ごはんもの・めん類7)を紹介している。体重を減らすだけでなく,必要な栄養素をとり,おいしく食べてダイエットしようというわけである。
評者は毎日のハードな試練(バドと卓球)によって,ことさらダイエットを意識したことはない。腹筋を主とした意識的な鍛錬をも付加しても,腹回りの脂肪が気になっている。目一杯体を動かし,相手をやっつけるという快感を味わいながら,野菜と果物を必ず摂り腹八分目にする。楽しみながらエネルギーを燃やし補填する。一番のダイエットだと思っている。
本書には見るからに食べたくなる写真と豊富なメニュー,読むダイエットといえるコラムを交えて,おいしい病院食から得たダイエットレシピが紹介されている。
おいしい病院食を食べてみたい。そんな方は愛媛大学附属病院に入院してください。