増田壽男法政大学総長が「豪快な人」として古川哲先生のことを書いておられた(日経「交遊抄」2013年10月10日付)。
交通事故で亡くなられてから23年とのことで,法政大学経済学部の先輩教授としての想いを綴っている。評者は大学院の時集中講義という名の一週間ぶっ続けのゼミを受講した。当時,院生の希望で集中講義の先生を依頼できる制度があり(院生の希望をまとめて,依頼や任用は大学),小林昇,古川哲,柴垣和夫の3先生に3年にわたって来ていただいた。
古川先生の時にも他の先生の時と同様,院生で分担して著書や論文を報告し,疑問や異論を出し合い議論するというやり方だった。評者は,その前提である著作リストを作り,取り上げる文献と報告者を決める役と昼食会や懇親会の企画を担当した。そうして一週間朝から晩まで古川先生とご一緒したのだった。
当時マルクス学徒なら必読文献だった,古川著『危機における資本主義の構造と産業循環』(有斐閣,1970年),古川・南克巳編『帝国主義の研究』(日本評論社,1975年)はこの時に精読することができた。
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