あるメーリングリストで,著名経済学者のお墓サイトがリニューアルしたことを知った。
MALCOLM RUTHERFORD (University of Victoria) による 'Famous Economists' Grave Sites' がそれだ。可能なかぎり自分(たち)で撮った写真や教会など関係サイトへのリンクがある。今回は新しく Wikipedia (英語版)にリンクしているのが特徴である。また,以前からある有名・無名のお墓探索サイト 'Find a Grave' に飛ぶこともある。
現在,全体で50人弱ほどの経済学者を含み,生没年月日を明記している。墓の所在や墓碑銘がある場合その解読も表示している。たとえば,マーシャルのものは名前と生没年だけのようだ。
「墓のない人生ははかない人生」とは地元の墓石販売業者の宣伝だが,経済学者のお墓探索にはもってこいのサイトだ。評者が実見したものはロンドンはハイゲートにあるマルクスのお墓のみだ。
ところで,ベルリンのカール・リープクネヒトとローザ・ルクセンブルグなどのレリーフがある場所(これも実見)は,もとの中央墓地だったのか。彼女たちの墓地は1935年1月にナチスによって破壊された。たまたま昨日届いた,住谷一彦「父の亡命日記 (I)」(日本経済評論社『評論』第163号,2007年10月)には,当時滞在した住谷悦治(田中秀臣著『沈黙と抵抗――ある知識人の生涯,評伝・住谷悦治――』藤原書店,2001年11月,asin:489434257X,本ブログの書評 https://akamac.hatenablog.com/entry/20070306/1173146190 参照)が,墓碑のすべてを破壊しているシーンを目撃した,とある。はからずも墓の話で繋がった。
(追加)
1998年3月に,ベルリン,ライプツィヒ,ドレスデン,ロンドンに行く機会があり,上に書いたマルクスの墓地訪問はこの時だった。古い写真が見つかった。
(上)マルクスの墓地にて撮影。右の日本人(?)が評者。命日(3月14日)直後だったため手前に花束が見える。最初葬られた場所はこの近くにある。
(下)乗り換えのフランクフルト空港にて。Forbes の宣伝に気がついて一枚撮った。マルクスをもじって CAPITALISTS(改行) OF THE WORLD (改行) UNITE! と書いてある。