927村田武・渡邉信夫編『脱原発・再生可能エネルギーとふるさと再生』

書誌情報:筑波書房,149頁,本体価格1,500円,2012年8月15日発行

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先日の講演会(「ドイツのエネルギー転換と再生可能エネルギーで村おこし」講演会→http://d.hatena.ne.jp/akamac/20140315/1394886695)の折に買い求めた一書である。いま日本で再生可能エネルギーを主張しようとすれば「原子力ムラ」との対峙が不可避である。それでも再生可能エネルギー先進国ドイツの例や日本の各地で取り組まれている事例は農村地域の新たな発展と活性化に結びつくことで,たんなる代案の域を超えた「ふるさと再生」に繋がっている。
ドイツの「ライファイゼン・エネルギー協同組合」の事例(第4章)や「きょうとグリーンファンド」,岩手県葛巻町「エネルギー自給のまちづくり」,小岩井農場バイオガス発電,広島県三次農協の小水力発電(以上第2章),京都府宮津市バイオマスタウン構想」の事例(第3章)は,日本が実はエネルギー資源大国であることや食だけでなくエネルギーの地産地消が地域や都市との連携を促すことを教えている。
資料として,京都府農業会議の関西電力への「農事用電力問題に関する建議」(1965年11月12日)・関電からの回答(同年12月24日)と「伊方原発運転差止請求事件訴状」(2011年12月8日)が掲載されている。