(1)書誌情報:東京堂出版,277頁,本体価格2,600円,1997年11月25日発行
(2)書誌情報:東京堂出版,230頁,本体価格2,000円,1998年7月30日発行(3)書誌情報:東京堂出版,176頁,本体価格1,800円,1998年7月30日発行- 作者:杉本 寛
- 発売日: 1998/07/01
- メディア: 単行本
- 作者:小宮 春吉
- メディア: 単行本
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昨日紹介した回文「「ん?かいだめ?だめだ,いかん!」は,少しでも明るい日常を取り戻したい作者に共感したのだった。回文には少し入れ込んだ時期があり,講義の合間に披露しては悦に入っていたこともある。
よく知られている回文歌は,「長き夜のとをの眠りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな」である。16世紀室町時代には紹介されていたという。回文には単語・連語,短句,短詩,成句,固有名詞句,詩,長文など日本語のいろんな分野にある。漢詩,円形回文,ローマ字回文俳句や数式まである。英語では回文をパリンドローム palindrome といい,アダムがイブに自己紹介するときに言った言葉――Madam, I'm Adam.――はお気に入りの回文だった。
(1)は2,297の回文を収録した回文辞典,(2)は回文雑学を織り込んだ回文作品集だ。震災の回文和歌があった。「長く揺れすぐには逃げじ一瞬(ひととき)と戸ひしげ庭に崩れゆくかな」。(3)は自作の回文川柳607句を集成したもの。「危機管理どうする数度隣家聞き」は原発事故を想定していたわけではない。(4)は「節電でっせ」,「珍味のミンチ」や「イカ食べたかい」など七文字回文パロディ集だ。
回文の専門コミュニティサイトもあるようだ(「回文21面相」→http://kaibun21.jp/)。
「私どうもだめ,やはり無理はやめた,もう年だわ!」((2)より)
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- 平田清明著作目録ブログ版(1981)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080318/1205834368
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- 大村泉・窪俊一・V.フォミチョフ・R.ヘッカー編集『ポートレートで読むマルクス――写真帖と告白帖にみるカール・マルクスとその家族――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20070318/1174204667