139ワルドナー物語(その1)

10代でデビューし,卓球の一時代を作ったスウェーデンの名選手ワルドナーの物語である。中国から団体と個人で王座を奪回し,卓球界に大きな変革をもたらした。スウェーデンが卓球大会に参加したのは1971年のことである。それから20年近く経て団体と個人でスウェーデンが頂点に立つ。
前陣速攻の中国に対して中陣で攻守するスウェーデン卓球は当初まったく歯が立たない。シェークハンドグリップの特徴を生かした両ハンド攻撃を武器に徐々に中国を追い詰め,フォア打ちバック止めという中ペンの弱点を超えるようになる。ワルドナー時代の中国の主力は江加良と陳龍燦,シェークの馬文革,韓国では日ペンの金擇洙と劉南奎,日本では日ペンの齊藤清らであった。
ワルドナー自身も中陣での攻守から前中陣での攻守に進化することによってシェークハンド全盛の先駆けとなった。現代中国卓球のシェークとペンによるスピードと回転重視の攻撃卓球はワルドナーがもたらした対応といえる。
この動画は試合を中心にワルドナーが世界のトップに立つまでを描いている(ワルドナーの10代から20代。1990年代前半まで)。音声はないが,簡単な英文字幕がある。