812安全保障技術研究推進制度(平成27年度)

今年度から始まった防衛省の競争的資金制度には109件の申請(大学等58件,公的研究機関22件,企業等29件)があり9件が採択された(→http://www.mod.go.jp/j/press/news/2015/09/25b.html)。大学等の研究機関が戦争遂行に協力した歴史を踏まえて日本学術会議は戦争技術開発研究に懸念を表明してきた。少なからぬ大学はこの競争的資金に申請しないよう決めている。そんな中で大学等からの申請が58件と半数以上を占めている。
民生用と軍事用との境界がはっきりしている技術だけではない。民生用が軍事用に,軍事用が民生用に転用されることは数多い。それでも「装備品への適用面」と最初から軍事用と銘打っての競争的資金制度の導入の是非はもっと議論されていい。

研究代表機関 研究課題名
国立研究開発法人理化学研究所 ダークメタマテリアルを用いた等方的広帯域光吸収体
富士通株式会社 ヘテロ構造最適化による高周波デバイスの高出力化
神奈川工科大学 構造軽量化を目指した接着部の信頼性および強度向上に関する研究
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 極超音速複合サイクルエンジンの概念設計と極超音速推進性能の実験的検証
パナソニック株式会社 海中ワイヤレス電力伝送技術開発
国立研究開発法人海洋研究開発機構 光電子増倍管を用いた適応型水中光無線通信の研究
東京電機大学 無人機搭載SAR(合成開口レーダー)のリピートパスインターフェロメトリMTI(移動目標検出)に係る研究
豊橋技術科学大学 超高吸着性ポリマーナノファイバー有害ガス吸着シートの開発
東京工業大学 可搬式超小型バイオマスガス化発電システムの開発