1349松本修著『全国マン・チン分布考』

書誌情報:集英社インターナショナル新書(030),365頁,本体価格1,100円,2018年10月10日発行

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著者の『全国アホ・バカ分布考』([isbn:9784101441214])は評判になった。テレビ番組「探偵!ないとスクープ」から生まれた。柳田國男「方言周圏論」の「アホ・バカ」編ともいうべきもので,柳田の「カタツムリ」の方言圏が五重であるのにたいし,「アホ・バカ」は一八重にもなる「大」発見だった。
「マン・チン」編は放送での自主規制を睨んで著者が長年にわたる研究成果を「満」を持して一書に纏めたものだ。とくに「マン」は,東北や新潟と九州西南部,北関東・甲信越と九州,関東と中国・四国地方と同じ呼び方であり,京都発祥で京都を中心に同心円を描いていた。
「チン」編は「周圏論」の実証よりは南方熊楠らごく少数意見だった和語起源説から「魔羅」漢訳梵語説への疑問を詳述していた。