書誌情報：日経BP社，416頁，本体価格2,200円，2009年6月発行
著者のひとりセイラーのノーベル経済学賞受賞（2017年）で，行動経済学とそのキー概念・ナッジ（nudge）はよく知られるようになった。本書はそれに先だって公刊されていた。
人間は現状維持やデフォルトの選択肢に影響されるという知見を生かし，選択の自由とよりよい選択のためのパターナリズムの両立を志向している。「リバタリアン・パターナリズム」である。そのために必要なのは，「役に立つ可能性が最も高く，害を加える可能性が最も低いナッジ」（121ページ）である。
ヒューマンの世界とエコノの世界の狭間にある行動経済学の考え方から貯蓄・投資・借金，医療・環境問題・婚姻制度の応用編，ナッジの拡張と予測される異論への応答へとナッジしている。
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