039久島茂著『はかり方の日本語』

書誌情報:ちくま新書648,203頁,本体価格680円,2007年3月10日

はかり方の日本語 (ちくま新書)

はかり方の日本語 (ちくま新書)

  • -

言葉は透明だという。言葉がどのように作用しているかを普段意識しないからだ。本書は自然科学の知識とは必ずしも一致しない日本語のはかり方について考えている。数,時および量に関する言葉が多数集められ,それらに関する脳の働き(認知)の有り様が探られている。
挙げられている数々の日本語から分かるように,透明な言葉をほとんど無意識的に使っている日本人の情報処理能力に驚くばかりだ。言葉はまた常に新しい意味を生み出し,変化していく。はかり方の日本語を通じて,「精妙な論理」を持つ日本語の世界が限りなく広がっている。