書誌情報:朝日新書(063),219頁,本体価格:720円,2007年8月30日
- 作者: 日本写真家協会
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/08/10
- メディア: 新書
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社団法人日本写真家協会による「肖像権」問題を中心にしたQ&A方式の入門書。現代日本における「肖像権」に関する判断基準になった事件は,デモ参加者の警官による撮影だったという(1962年6月の京都府学連事件)。「肖像権」にはプライバシーの権利(みだりに肖像を撮影されない権利=撮影拒絶権と勝手に公表されない権利=利用拒絶権)とパブリシティー権(肖像本人の有する財産的権利を得ることができる財産権)とがある。
撮影する場所(建物を含む)と状況,コンテストやパンフレットへの利用など公表する場合,パブリシティー関連のケース,撮影のトラブルなどの項目で,写真を楽しむための66のQ&Aが紹介されている。たとえば公務中の政治家や公務員には肖像権がないこと,逆に職務中とはいえ肖像権が働く場合などは写真撮影や公表の際におたがいに知っておいたほうがいい。ブログの普及と携帯やデジカメで身近になった写真だけに手許においておきたい一書だ。