110吉田一郎著『世界飛び地大全――不思議な国境線の舞台裏――』

書誌情報:社会評論社,431頁,本体価格2,400円,2006年8月15日

世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))

世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))

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アメリカのグアンタナモグァンタナモとも表記)基地はキューバにある。アメリカがアフガニスタンイラクで拘束した「イスラム過激派のテロ容疑者」を収容しており,捕虜虐待で有名になった。アメリカと敵対的関係にあるキューバに基地があるのはなぜかと気になっていたところ出会った本が本書だ。
本書では飛び地を,(1)周囲のすべてを他国に囲まれた,内陸の飛び地(例:ナヒチェバン,リビア),(2)陸上では他国の領土によって隔絶されているが,海などに面している飛び地(例:カリーニングラード,アラスカ)に,逆に飛び地とは言えない条件を,(1)島,(2)植民地や海外領土,をそれぞれ挙げている。飛び地が生まれた経緯については,(1)封建領主の領地,(2)植民地の獲得,(3)戦争による領土の分割,(4)植民地の独立,(5)ソ連の崩壊,にまとめている。
本書では,現存する飛び地,過去に存在した飛び地,飛び地のような植民地,対岸の飛び地,インフラ飛び地,飛び地もどきの怪しい地帯,国境で一島両断された島,気になる国境線,にまとめ,おおよそ100の飛び地を解説している。
よく調べられており,世界の飛び地にかんするネタが一杯詰まっている。本書のもとになっているのは,どうやら著者の「世界飛び地領土研究会」だ(20世紀前半のアジアを中心にした地図も画像で提供している。著作権上の問題はないのかな。)。著者は現在『市民じゃ〜なる』編集長でもあり,さいたま市会議員でもあり,大学院生でもあり,多方面で活躍されているようだ。本書でもウェブについて,ウェブでも本書についていっさい触れていないのはなにか理由があるのだろうか。
日本の飛び地については,

などが詳しい。それにしてもいろいろ調べている人がいる。