175篠田謙一・宮崎正勝・岡田晴恵・安田喜憲監修『科学で見る世界史』

書誌情報:学習研究社,137頁,本体価格1,300円,2008年5月10日

一目でポイントがわかる!科学で見る!世界史―オールカラービジュアル版 (Gakken Mook)

一目でポイントがわかる!科学で見る!世界史―オールカラービジュアル版 (Gakken Mook)

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講義のネタとして使おうと思って本屋さんで購入。DNAでたどる人類の旅(第1章),発明・発見が歴史を変える(第2章),病が世界を動かす――病原微生物流行死(第3章),環境破壊で崩壊する文明(第4章)と科学の発展と歴史とを結びつけて解説したムック本だ。地図とイラストを多用し,一項目が見開きで完結していてわかりやすい。
第2章中,「列強のアジア支配 進化論自然淘汰説が帝国主義に拍車」の項目ではヨーロッパ諸国のアジア植民地化「思想を後押ししたのが,ダーウィンの進化論であったといわれる」とし,ダーウィン進化論が植民地化とあわせて説明されている。「進化論はその後曲解され,人間社会の理解に応用された」と留保はしているが,誤解を招く叙述だ。
これ以外の16世紀以降の解説(宗教改革,海洋世界の覇権争奪,産業革命プランテーション,紅茶とアメリカ独立,フランス革命,イタリア・ドイツ統一アメリカ独立戦争,アフリカの植民地化,日露戦争,第1次・第2次世界大戦など)はおおむね妥当だ。
世界史の未履修問題は過去のものではない。こうしたものを使いながら,歴史と思想のおもしろさをすこしでも伝えることができたら幸いだ。