099マルクス家の愛犬ウィスキー

田中さんがはなちゃんに触れてくれたエントリーで,大学や経済学者と犬とのかかわりについて書いていた(http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080525/p1)。マルクス家にはウィスキーという犬がいたことで知られている。マルクスは娘への手紙で,「ウィスキーは最上等の骨をやっても見向きもせず,君の寝室から一歩も出ず,それこそ<美しき魂>の深い苦悩の色をありありと見せたものだ。いまでも誰かが君の名前を口にすると,ウィスキーは発作を起こす」(1869年4月26日付)と書いている。マルクス家には3匹の犬がいて,ウィスキーはその1匹。
左の写真はロンドンで開業していた写真家ジョン・ロジャースが撮ったウィスキーで,1874年以降,おそらく1876年から1881年に撮られたものという。二女のラウラの「写真帖」から。
右の写真は長女ジェニーによって蒐集された「告白帖」にあるウィスキーの「告白」で,ラウラによって書かれた質問票。「あなたの性格」にたいして「ハングリー」,「あなたが好きなこと」にたいして「骨堀り」などとある。「告白帖」は当時ドイツやイギリスで流行した遊びで,ジェニーの「告白帖」には65点とマルクス家を訪問した人々の自筆原稿20点が含まれている。
マルクスの「告白」はあまりにも有名だが,さきの「写真帖」と「告白帖」は書籍とCD-ROMですべて公開されている(評者の書評→https://akamac.hatenablog.com/entry/20070318/1174204667)。