396最後の徳島藩主・蜂須賀茂韶とマルクスの接点(二報)

新聞記事の元になった現物のデジタル版を入手することができた。小川裕久(徳島市徳島城博物館主査・学芸員)「蜂須賀斐のこと――開化期に渡英した一女性の肖像――」(男女共生ネットTokushima『新世紀男女共生社会へのメッセージ』vol.19(2010年12月1日発行,ISSN1883-9479))だ。小川さんに感謝申し上げる。
記事とブログで取り上げた以外にすでに紹介されたことのあるロンドンで撮影した写真が存在するという。霞会館『海外における公家大名展』(1980年)などで披露されたもの。ただし,撮影スタジオや寸法などは未調査のままだ。
今回発見の写真は,既報のとおり,写真スタジオ ELLIOTT AND FRY で撮られたもので,写真サイズ13.6cm×10.0cm,台紙サイズ16.6cm×10.9cmだった。小川稿ではさらに詳しく写真スタジオの創立が1863年だったこと,斐のポートレートも存在することを報告している。
台紙には

ELLIOTTO & FRY
55, Baker Street
PORTMAN SQUARE. W.
LONDON

とある。茂韶はロンドンへの留学の度に ELLIOTTO & FRY で何枚ものポートレートを撮影したという。ラウラの写真帖だけでも10軒近いロンドンの写真スタジオを確認できた。これら写真スタジオの住所を地図に落とし込めば,意外な発見があるかもしれない。