書誌情報:新書館,294頁,本体価格:1,800円,2009年4月10日発行
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「学問としては正統だが社会的地位においては異端に追いやられた」(「あとがき」)著者による,「駒場学派」(比較文学比較文化研究室と東京大学比較文学会)では第3位の35冊目の本である。中村和恵『キミハドコニイルノ』(彩流社,1998年9月,[isbn:9784882024675])の「あとがき」に「名声がほしい」「A氏」は著者であることを認めている(257ページ)。
「御三家」(芳賀徹,平川祐[正しくは「示」偏]弘,小堀桂一郎)・「四天王」(プラス亀井俊介)からの人脈とかれらのゴシップ混じりの「駒場学派」史である。「駒場学派」から出でて「駒場」に戻れない著者の怨念が主旋律とはいえ,『比較文學研究』,本,各種学会賞(比較文学会賞,サントリー学芸賞など)の研究など,島田謹二以来の「駒場学派」が描かれている。
評者のかつての島田や平川への言及が「駒場学派」に無知だったかを思い知らされた。
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