441『IDE現代の高等教育』第531号(2011年6月号)

特集は「就職難打開への道」だ。就職難は大学生の進路選択を考えるうえでは絶好の機会ととらえるべきで,「高就職率は望ましいことではあるが,これを大学の目標や学生募集の目玉にするのは,大学としては慎むべきである」(小林俊一「(巻頭言)就職氷河期」)。と思いきや編集の趣旨には「旧態依然たる大学教育」とある。
大学からはっきり言える最大の問題は,大学の学びの総決算である卒業研究(論文)の成果をみることなく就活が終わってしまうこと。新卒一括採用や就活時期の見直しはここから始まらなければ意味がない。

執筆者 タイトル
小林俊一 (巻頭言)就職氷河期
金子元久 「就職難」を超えて
永井和之 就職問題と大学の人材育成
浦野光 低迷する日本と大学教育
阿部正浩 供給か需要か――凍てつく新規大卒市場の背景――
吉川 徹 就職難の意味するもの
海老原嗣生 賽の目教育」から「シームレスな頭」へ
居神 浩 学卒未就職という不条理――大学教育の現場で今できること――
山上浩二郎 大卒採用時期から浮き彫りになるものは
徳永英子 新卒一括採用を再考する
小杉礼子 就職部調査から見た就職難打開策
小方直幸 企業から見た大学・大学院教育
市村泰男 グローバル時代における人材需要