483東洋文庫と井上準之助旧蔵書

今日から年末年始の休みに入る。積読書や資料類などを整理していた。遅ればせながら有斐閣の『書斎の窓』第610号(2011年12月号)を手にしたら,杉山伸也「井上準之助研究ノート(一)」が目に入った。二回連載の一回目で井上準之助が出会った人物像に触れる予定とのこと。
このなかで井上が東洋文庫の設立に大きな貢献をしており文庫設立の1924年から暗殺される1932年まで初代理事長をつとめたことやモリソン文庫購入の経緯,旧蔵書などについて言及されている。これによると,井上旧蔵書のうち,英書の大部分と和漢書の一部1,622部,計4,890冊が東洋文庫に寄贈されている(1936年)。スミス,マーシャル,リカードウ,J.S.ミル,フィッシャー,カッセル,ピグーケインズなどの書物はのちに追加で寄贈された蔵書に含まれている。
ケインズのものでは,『インドの通貨と金融』(1913年),『平和の経済的帰結』(1920年の第2刷),『条約の改正』(1922年),『貨幣改革論』(1923年),『自由放任主義の終焉』(1926年),『貨幣改革論』(1930年)がある。
井上旧蔵書について目録は作成しているのだろうが,ネットからは皆目見当がつかない。