471『東京人』12月号特集「東洋文庫の世界。」

愛用の iPad の予定表で,一昨年のうちから2011年10月20日に書き込んでいたことがある。東洋文庫ミュージアムのリニューアル・オープン日である(→http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/)。注目していたのはここに『国富論』の初版本があるから(関連エントリー東洋文庫にある『国富論』初版本」参照)。
先週の東京出張の折,三省堂神田本店に寄ったとき,『東京人』12月号「特集 東洋文庫の世界。」(→http://www.toshishuppan.co.jp/tokyojin_shousai.php)が目に入ってきた。ミュージアムのリニューアル・オープンに合わせた企画である。史記,インド・中国・マカオの風景,ドチリーナ・キリシタン,東方見聞録,諸国瀧廻り,風俗金魚傳,甲骨卜辞片,アヘン戦争図,ハーン・チェンバレン往復書簡ときて,『国富論』初版の34-35ページが見開きで大きく映っている。'..., he intends only his own gain, and he is in this, as in many other cases, led by an invisible hand to promote and end which was no part of his intension.' (p.35, l.20) の「見えざる手 invisible hand 」がある箇所を含むページである。「”見えざる手”は,ここに記される。」としてスミスと『国富論』の簡単な紹介がある。この写真だけで東京で『東京人』を買ったのだった(もちろん松山の書店でも売っている)。
東洋文庫の基礎となったモリソンコレクションや岩崎文庫のほか,イエズス会士通信日本年報,徒然草,日本動物誌,アラビア語文献,セデスのインドシナ史書ベトナムの礼部なども写真入りで紹介してある。
評者の手元にも実は『国富論』初版(2冊本)がある。雄松堂が復刻したもので初版そのものではない。それでも6万円だった記憶がある。