625矢部「マッチラベルコレクション」

神戸大学附属図書館に故矢部直英さんの「マッチラベルコレクション」が寄贈された(→http://lib.kobe-u.ac.jp/www/modules/news/index.php?page=article&storyid=537)。約60年の間に10万点以上の資料のうち大正から昭和初めにかけてのラベル約17,000点である。神戸大学は故矢部さんの母校ということでこのコレクションが神戸大学に寄贈されたという。
マッチは,清水誠が東京本所で本格的な工業マッチ生産を始めたとされる(「新燧(しんすい)社」)。その後,マッチ産業は兵庫県の輸出用地場産業として繁栄した。明治中期から大正にかけてマッチは生糸,銅と並ぶ日本の三大輸出品だった。また,いわゆる広告マッチは戦後に大きな需要があった。現在でも数は少なくなったが飲食店などの「広告マッチ」は健在である。
「マッチの世界」(→http://match.or.jp)は,社団法人日本燐寸工業会および協同組合日本マッチラテラルが運営するバーチャルミュージアムである。日本燐寸工業会には数万点のマッチラベルコレクション「蘭渓文庫(らんけいぶんこ)」があり,このミュージアムで一部公開されている。普通のマッチは上から下に擦ってつける,ブックマッチを上蓋で挟んで付けるのは間違いと解説があった。今どきの学生はマッチの付け方を知らないと嘯いていた評者は両方ともこの間違った使い方をしていた。
「マッチの世界」も深い。