806文鮮明著(文鮮明師自叙伝日本語版出版委員会訳)『平和を愛する世界人として――文鮮明自叙伝――増補版』

書誌情報:創芸社,382頁,本体価格780円,2011年4月3日第1刷発行,2011年9月20日増補第1刷発行,2012年10月2日増補第361刷発行

平和を愛する世界人として―文鮮明自叙伝

平和を愛する世界人として―文鮮明自叙伝

  • 作者:文 鮮明
  • 発売日: 2011/09/20
  • メディア: 文庫

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「ようこそここへ クッククック わたしの青い鳥」。
名古屋市○○区○○番○丁目○○-○○ ○○○○」の個人名で大学宛てにクロネコメール便で届いた。本書とA5版のワープロで打った紙が入っている。「(前略)さて,突然で恐縮ですが,母校で活躍されている皆さまに知って頂きたく,一冊の自叙伝を御送りさせていただきました。どうぞ,ご一読くださいますよう,お願い申し上げます。(後略)」の本文と末尾に「昭和○○年○○○○○学科卒業 ○○○○」と記してあった。
他学部の卒業生で,手に入れた名簿かなにかを元に「母校」の教員に送ってきたもののようだ。一斉に送ったものとしたら,「母校」教員だけでも軽く10万円前後は要しただろう。「布教」のためとはいえ,ご苦労なことだ。ひょっとすると全国的に展開されている活動なのかもしれない。
「お金も,名誉も貪ることなく,ただ平和のみを語って生きてきただけなのですが,世の中は,私の名前の前に数多くの異名を付け,拒否し,石を投げつけました」(「序文」)と語り,理想的な平和世界実現のために「交叉(こうさ)祝福」を説く。
信者には今でも自叙伝の著者は「救世主」「再臨王」「真の父母」「平和の王」「万王の王」である。ミイラ取りがミイラにならないように一読はしてみよう。
ホームページには「自叙伝500万部突破!」とあり(→http://sekaijin.jp),帯にも「500万部突破!」と刷り込んである。「増補第361刷」は嘘ではないのだろう。スマホ用アプリもある(試しにアクセスしたら「アイテムをご利用できません。ご希望のアイテムは,現在日本の Store ではご利用いただけません」!)。