書誌情報:マトマ商事出版局,228頁,本体価格1,000円,2007年1月13日発行
- 作者:木暮 太一
- 発売日: 2006/01/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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奥付を見たら,「2008年3月20日第3版」とあった。労働日や本源的蓄積論,地代論など欠けている項目がある。また,マルクスが『資本論』に散りばめた修辞や経済学批判の意味も一切省略している。
でも『資本論』全3巻の主要内容を著者の言葉で説明しているのがいい。経済学の古典を身近に感じさせることでは至極まっとうな本といえる。
索引の前のページに,小さい字で,しかも下の隅に,「本書は,著者の見解を元に書かれており,絶対の正解を保証するものではありません」(225ページ)とある。まさかこの本を読んで『資本論』の「絶対の正解」だとは思う読者はいないだろう。「急がば回れ」で『資本論』そのものを読むのがベスト。著者と同様に,第三者を想定して自分の理解を文章にする。そんなプロセスの大事さを教えてくれている。
みなさんも,「スミスる?」,「マルサスる?」,「ワルラスる?」,「ジェボンズる?」,「ケインズる?」,「ヒックスる?」,「ガルブレイスる?」してはどうだろう。とくに人口減少社会を迎えて「マルサスる?」はぴったりだ。
- 著者のブログ→http://ameblo.jp/ochikobore
- 関連ブログ
- 基礎経済科学研究所編『時代はまるで資本論――貧困と発達を問う全10講――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090209/1234187967
- マルクス作(バラエティ・アートワークス漫画)『まんがで読破 資本論』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090208/1234099877
- 嶋崇著『いまこそ『資本論』』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080916/1221557443
- 的場昭弘著『超訳『資本論』』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080505/1209993407
- フランシス・ウィーン著(中山元訳)『マルクスの『資本論』』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20071113/1194948193