188松山は「日本一の文学の舞台」

朝日新聞で「日本一の文学の舞台」(「日本一の旅」第92回)の記事があった。読者アンケートなどにもとづいて結果を報じていた(回答総数9,440人,2009年2月11日付)。これによると「坊っちゃん」の松山が堂々の第1位だった。漱石は松山をさんざんこきおろしている。「当地下等民のろまの癖に狡猾に御座候」と。これで「日本一の文学の舞台」となると「下等民のろまの癖に狡猾」な松山市民としては複雑な気分だ。原稿用紙に抜いた鼻毛を貼り付ける奇癖を持つ高名な作家がかつて1年たらずだが松山にいたことがある。
道後温泉は別で,「余程立派なる建物にて(中略)随分結好(けっこう)に御座候」と絶賛した。道後温泉は熱めのお湯が特徴なので,一献の後の入浴は避けたほうがいい。以前,人事不省に陥った同僚がいる。
漱石赴任時の「四国辺のある中学校」である愛媛県尋常中学校は,後身である松山東高校がある場所ではなく,南堀端のNTT西日本四国支社のビルのところである。碑文が建っている(参照→http://www7a.biglobe.ne.jp/~gucci24/i_soseki.html)。「坊っちゃん」の主人公は弘中又一と言われているが…(参照→http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000180701020003)。

順位 作品名 作者 舞台 回答者数
1 坊っちゃん 夏目漱石 松山 2,564
2 風の又三郎 宮沢賢治 岩手 1,963
3 雪国 川端康成 新潟 1,883
4 伊豆の踊子 川端康成 静岡 1,536
5 蟹工船 小林多喜二 北海道 1,309
6 津軽 太宰治 青森 1,033
7 城の崎にて 志賀直哉 兵庫 954
8 羅生門 芥川龍之介 京都 763
9 智恵子抄 高村光太郎 福島 733
10 千曲川のスケッチ 島崎藤村 長野 686