895亀井俊介著『ニューヨーク』

introduction

書誌情報：岩波新書（775），iv+227+5頁，本体価格760円，2002年3月20日発行（2013年10月18日第6刷）

ニューヨーク (岩波新書)

ニューヨーク (岩波新書)

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アンコール復刊書の一冊で，2001年9月11日以後に出版されたが，草稿はすでに完成していて「途方もない事件」（43ページ）として「付記」がある。大事件後のニューヨークは変貌したところも多いだろう。一旅行者として歩き回った著者のニューヨーク体験はむしろ淡々としていて好感をもった。
評者の外国旅行一泊目はたまたまニューヨークだった。17年前のこの季節だった。五番街の一角やブロードウェイをうろうろしたことしか憶えていない。
ニューヨークの歴史と文化を縦横に論じた「ニューヨーク観光文化案内」（225ページ）はよほどの知識がないと書けない。アメリカ文化・文学研究者にして街歩きに徹した著者なればこその作品だ。グルメ情報もブランドショップ情報もない。もちろん入浴情報もない。
「アメリカの縮図」＝ニューヨークが等身大でイメージできた。17年前のちょっとした記録を取りだしてみよう。