朝日新聞に「教育力向上へ100時間研修 愛媛大,終身雇用の条件に」と大きな記事があった(12月14日付)。内容は,愛媛大学が決めた「国際通用性のあるテニュア・トラック制度の導入について――研究,教育,管理にバランスの取れた総合力の高い大学教員の育成を目指して――」をコンパクトにまとめたものだった。
ただ,記事中テニュア・トラック制度の名称を使わず,かつ,100時間の研修を「FD」としていた。いわゆる「FD」と違うのは,図示していた「教育能力開発」,「研究能力開発」,「組織運営能力開発」を「能力開発(PD: Professional Development)プログラム」としていること(記事ではこの「能力開発」を FD と理解しているようだし,見出しの「教育力向上」もそれを反映したものと読んだ)。3つをそれぞれ ED: Educational Development,RD: Research Development,MD: Management Development としてからである。大学の説明によれば,60時間,20時間,20時間を3年間で体系的に受講するが,教員のタイプによって弾力的に運用するとのことだ。
テニュア・トラック期間中の財政的支援については一切触れていなかった。「能力開発」を FD としたことと無関係ではなかったように思う。
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