234リクルート『カレッジマネジメント』の特集「FDの推進」

高等教育機関に無料配付している『カレッジマネジメント』157(2009年7月1日発行)が「FDの推進」を特集している。
大塚雄作(京都大学高等教育研究開発推進センター)「教育力を向上させるFD」と吉田文(早稲田大学)「事例①愛媛大学 学部を横断したFDの構築」のみ関係部署から送られてきたコピーで読んだ。大塚は,FDの起源を19世紀初頭のハーバードにおけるサバティカルにあることを紹介し,関西地区で進大学間連携の経験を語っている。
吉田は,学長とFD担当者とのインタビューをもとに,愛媛大学での取組の特徴,高等教育機関との連携,学生へのインパクト,組織力の向上について客観的な視点でまとめている。
2008年4月よりすべての大学の学士課程でFDが義務化された。大学教育の質保証と教育力の向上がすべての大学にもとめられることになった。教育の改善に結びついたかどうかについては依然否定的見解が多い。「教育面に特化」(大塚)したFDであれば,研究指向が強い大学教員から反発を招く。また,多くの大学教員は,教育の充実を目指すFDが教員の負担を増大させているとの実感を漏らしている。
いま,やらされる,やらなければならないFDから,学びと同じように,楽しいFDへの分岐点にあることだけはまちがいない。