808日本リメディアル教育学会監修『大学における学習支援への挑戦――リメディアル教育の現状と課題――』

書誌情報:ナカニシヤ出版,viii+255頁,本体価格2,800円,2012年9月15日発行

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日本の大学がユニバーサル化を迎え,教育の質保証をどのように担保するのかが大きな課題になっている。2005年3月に設立された日本リメディアル教育学会は,新入生の学力内容の把握方法,課題を抱える学生の学力の分析方法,効果的な学習指導方法などの開発・普及を目的としている。
本書は,753大学・395短大すべてを対象にしたアンケート調査をまとめ事例を紹介したものだ(回答率:大学54%,短大35%)。(1)プレースメントテスト,(2)入学前教育,(3)初年次・導入教育,(4)国語リメディアル教育と大学生のための日本語教育,(5)リメディアル教育,(6)学習支援センター,からなっている。リメディアル教育を実施しているかどうかだけでなく,その内容に踏み込んだものになっているのが最大の特徴である。「現在の日本の大学教育の最前線をありのままに示したもの」・「新入生に対する現在の大学の教育力の現状」(「はじめに」)である。
リメディアル教育の実践のなかから短期間に成果をあげた大学・学部として,①学生のコミュニケーション能力が高く,②学生が入学当初から職業への目標をもっている,ことを抽出している。補習教育という枠を超えて能動的な学習(最近の言葉でいえばアクティブ・ラーニング)の重要性が浮かび上がっているといえそうだ。
事例集として以下の大学・短大・高専が紹介されている(数字はうえの項目に対応)。
(1)岡山理科大学日本工業大学活水女子大学実践女子短期大学大阪教育大学創価大学カリタス女子短期大学佐賀大学
(2)京都工芸繊維大学鳥取大学九州工業大学立命館大学広島修道大学千歳科学技術大学近畿大学関東学院大学北海道工業大学金沢工業大学聖学院大学湘北短期大学
(3)京都大学島根大学大手前大学大阪国際大学早稲田大学日本歯科大学新潟生命歯学部,新潟産業大学,桜の聖母短期大学四国大学短期大学部阿南工業高等専門学校弓削商船高等専門学校
(4)大阪体育大学日本工業大学川崎医療短期大学中央学院大学北海道工業大学千葉大学
(5)島根県立大学秋田県立大学岡山理科大学,東北薬科大学,京都産業大学大阪体育大学川崎医療短期大学松本歯科大学大阪府立大学島根大学千歳科学技術大学名桜大学東京電機大学理工学部東洋英和女学院大学札幌大学鹿児島工業高等専門学校桜の聖母短期大学
(6)明星大学東北学院大学名桜大学広島修道大学姫路獨協大学流通経済大学