914ビートたけし著『間抜けの構造』

書誌情報:新潮新書(490),187頁,本体価格680円,2012年10月20日発行

間抜けの構造 (新潮新書)

間抜けの構造 (新潮新書)

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ビートたけしの早口とトーンは評者にはほとんど聞き取れない。それでもブラックな時事ネタはよくわかる。アドリブで発することもあるのだろうが,結構ネタを仕込み計算したジョークのような気がする。
2020年の東京オリンピック招致を実現したスピーチは絶妙な「間」が決め手だったらしい。本書を読んで「間」を習得したという噂はまったくないが,ビートたけしは先を行っていたことになる。
漫才,落語,テレビ,スポーツ・芸術,映画で体験した「間」から,日本人と人生(本人)の「間」を論じていた。間延びすることなくあっという間に読める。
芸人兼タレント兼映画監督は本書に先立って南博編『間の研究――日本人の美的表現――』(講談社,1983年,[isbn:9784061459366])を読んだという。加藤周一著『日本文化における時間と空間』(岩波書店,2007年,[isbn:9784000242486])やオギュスタンベルク著(宮原信訳)『空間の日本文化』(ちくま学芸文庫,1994年,[isbn:9784480081230])にも通じる日本文化論になっている。と言ったら褒めすぎか。