巡回展((1)北九州市立美術館本館,2013年12月14日〜2014年2月2日,(2)神奈川県立近代美術館葉山,2014年2月11日〜3月23日)の掉尾を飾る愛媛県美術館(→http://www.ehime-art.jp/tenrankai/now/index2.html,2014年4月5日〜5月18日)で鑑賞することができた。
柳瀬は松山に生まれ,少年期を門司で過ごした。大正期新興美術運動に参加し,プロレタリア美術運動の騎手として活躍した。太平洋戦争末期の東京爆撃によって短い生涯を終えた。
企画では柳瀬の生涯を追って,関東大震災まで,治安維持法違反容疑によって逮捕された1932年まで,没年までの3期に分け,絵画,漫画,装幀,舞台芸術,写真,俳句などの作品・資料で時代背景と創作に光を当てていた。柳瀬の無産運動時代の資料は自由の日を想い自身の手で保存していたものという。
柳瀬による改造社版『マルクス・エンゲルス全集』のポスターはかつて宮城県美術館での展示で目にしたことがあった。小林勇(岩波書店,鉄塔書院),羽仁五郎,火野葦平など戦前期の文化人との交流の一端も装幀などで辿っていた。暗い時代の文化史としても読めた。
図録は451ページの大作である(2,600円)。柳瀬の多面的な活躍がよくわかる。
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- 廉思編(関根謙監訳)『蟻族――高学歴ワーキングプアたちの群れ――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20110506/1304692181
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- 大内伸哉著『雇用はなぜ壊れたのか――会社の論理vs.労働者の論理――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090506/1241618883
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