104「三輪田米山特別展」および図録

伊豫豆比古命神社椿神社)内椿会館で「三輪田米山特別展――雄渾自在・現代書の先駆者――」が始まった(入場無料,2014年5月2日〜6月1日)。6年前の同会館での「三輪田米山没後百年展」に続く開催である。この時は米山をまったく知らず企画自体も後知恵である。
米山作品はこれ以降も続々発見され,書のほかに神名石,肉筆を含む神名木額,鳥居,頌徳碑,戦捷記念碑,絵馬,賽銭箱,古幟,幟の原書,幟原書などが今回の目玉である。宮司だった日尾八幡神社からは一字書「我」も見つかった。藁を束ねた筆で一気に書いたものではないかという。
山本發次郎コレクションにはない米山の魅力が詰まった展示会である。愛媛大学からは米山日記の一綴(明治13年11月28日)がこの展示に加わっている。
100ページを超える図録からも米山の自在が伝わってくる。