086道後温泉・ふなやの足湯に浸かる

道後温泉きっての老舗ふなやは創業380余年(寛永年間)を数え,「坊っちゃん」にも登場する。なにわやを右手に見て伊佐爾波坂を50歩ほど進むとふなやに着く(道後温泉旅館協同組合のマップ→http://www.dogo.or.jp/pc/asiyu/ashiyumap.pdf))。漱石の「はじめての ふなや泊まりを しぐれけり」の碑が迎えてくれる。
フロントを通り階段を下りていくと日本庭園「詠風庭」への案内があり,川席と足湯に導いてくれる。足湯用のタオルも用意してある。日本庭園のなかにある足湯は道後のなかでも別格である。川席を左手に飛び石を進んでいく。目指す足湯は円形のゆったりしている。
ひとり浸かっていると,2人連れの若い女性,外国人男性を含む4人連れとにぎやかになってきた。外国人の会話に耳を欹てているとドイツ語が聞こえてきた。話しかけると連れの松山出身の女性と結婚したドイツ人だった。シュツゥットガルト出身で今はフランクフルトに住んでいるという。松山には3度目で,今日はふなやに泊まるらしい。道後ビールという地ビールがあるとお教えしたのだが,ドイツ人には珍しく下戸。でも飲んでみると言ってくれた。水口酒造の宣伝に一役買ったのだった。道後温泉旅館協同組合では英・独・韓・中,4外国語の観光情報とミニガイド(pdfファイル)を用意している(→http://www.dogo.or.jp/pc/top.htm)。
日本庭園には自然の川が流れており,春には山桜,秋には楓を楽しめる。かつて宴会場と川席を利用したことがあり,露天風呂,檜風呂,石風呂を堪能させてもらった。日本庭園の渓流にかかるもみじ橋を渡っていくことになる。
子規記念博物館側からも庭園に入ることができる。こちらからは古風な茅葺き屋根が迎えてくれる。湯温はぬるめだ。
子規の句碑「亭ところころ 渓に橋ある 紅葉哉」は見逃してしまった。