075道後温泉・大和屋本店の足湯に浸かる

東北地方太平洋沖地震津波被害は想像をはるかに超えてしまっている。死者はついに500人を超えた。原発は第2のチェルノブイリにならないことを祈るのみだ。姉兄にはまだ連絡がとれない。そんな不安と肉離れの足を癒しに足湯に行く。
道後には放生園のほか無料で入れる足湯・手湯が10箇所ほどある。ホテルに宿泊しなくても無料で入れる。道後温泉旅館協同組合ではマップを作成し配布している(→http://www.dogo.or.jp/pc/asiyu/ashiyumap.pdf)。このところ毎週行っている放生園(ほうじょうえん)は混雑していたので,道後温泉本館からちょっとあがったホテル葛城の足湯を見る。ここの足湯は小さめの桶に汲み置きの足湯のようで見るだけにした(汲み置きではなく循環式になっているとのこと:2011年3月16日追補)。
数十メートルあがって大和屋本店の足湯に入る。「伊予の湯桁風足湯」と銘打って6つの湯桁からなる広い足湯だ。放生園よりは高めの温泉に感じた。雨の日でも大丈夫なように屋根がついている。インターホーンで各種飲み物(もちろん有料)を注文できる。地ビール道後ビール(水口酒造)もメニューにあった。
足湯の脇には子規の句(『竹乃里歌』1898年より)

    • 足なへの 病いゆとふ伊豫の湯に 飛びても行かな 鷺にあらませば

があった。入口付近には種田山頭火の句(1934年5月26日作,『山行水行』所収)

    • ずんぶり湯の中の 顔と顔笑う

も佇んでいた。そういえば山頭火には

    • ちんぽこも おそそも 湧いて あふれる湯

という快作がある。これも道後で詠んだのだろうか。これは湯田温泉の千人風呂を詠んだとのことだ*1
子規の「足なへ」句は今の評者にぴったりくる。