小林正幸(双日総合研究所主任研究員」「伝説の商社の残光を追う――近代製造業の礎築く,「鈴木商店」の史跡を求めて――」(日経新聞,2015年2月20日付「文化」欄)を読んだ。
昭和金融恐慌で破綻した総合商社・鈴木商店の記念館ができたことを伝え,北九州市大里にあった製粉や酒精の工場建造物,兵庫県相生市の旧社宅街,北海道の羽幌炭砿の史跡巡りを綴っていた。
鈴木商店記念館は建物ではない。ウェブ上にある記念館である(→http://www.suzukishoten-museum.com)。鈴木商店の歴史を写真とともに紹介している。ロンドン支店長で日商会長になる高畑誠一(旧西条中・神戸高商卒)は内子町出身,鈴木商店と関係が深かった山下汽船の山下亀三郎も宇和島市吉田町出身であり,愛媛県人も鈴木商店とは接点がある。
神戸製鋼,帝人,双日など鈴木商店を源流にする企業はいまなお多くある。精糖,樟脳,紡績,鉄鋼,造船などのメーカーを擁し,戦前期の日本経済を牽引した新興財閥・鈴木商店の史跡巡りは企業遺産として貴重だ。
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