1095山出保著『金沢を歩く』

書誌情報:岩波新書(1493),xii+213+4頁,本体価格860円,2014年7月18日発行

金沢を歩く (岩波新書)

金沢を歩く (岩波新書)

  • 作者:山出 保
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 新書

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金沢で生まれ育ち,金沢市役所に長らく勤め,金沢市長を5期20年経験した金沢人による金沢本である。行政のかかわりを控えめに述べながら金沢のまちづくりの歩みから金沢の魅力を引き出していた。
金沢大学が金沢城趾にあった時代も含め金沢には何度か行ったことがある。金沢大学附属小・中学校――どうでもいいのだが,正式名称にすると「国立大学法人金沢大学人間社会学域学校教育学類附属小学校」および「同中学校」(漢字27文字)は「高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校」と「高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山中学校」(いずれも漢字30字)に次ぐ長さである(「日本一名前の長い小・中・高校・大学」→https://akamac.hatenablog.com/entry/20100417/1271513079)――跡地にあるのが金沢21世紀美術館だ。
金沢市が発電事業を経営していること(全国で唯一),職人や伝統芸能の担い手を育成していること,ユネスコのクラフト創造都市に登録されていること――これには評者のお世話になったある先輩が深く関係していた――,児童相談所を開設したこと(横須賀市とともに全国で2例のみ)などものづくり・まちづくりの息吹を伝えている。