NHKスペシャル「未解決事件 File.5 ロッキード事件」(ドキュメンタリー×再現ドラマ)第1部「実録ドラマ」前編(7月23日),第2部後編(同),第3部「日米の巨大な闇 40年目のスクープ」(7月24日)(→http://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/)のうち第3部を観た。
丸紅ルートの解明によってロッキード社からトライスター機導入のために5億円の賄賂を受け取ったとして田中角栄が罪に問われた事件の裏には,P3C対潜哨戒機(ロッキード社)の導入をめぐる闇があった。この解明には児玉誉士夫にロッキード社から渡った21億円の追跡が欠かせない。児玉の証拠隠滅やアメリカ検察の不開示など,日米の政財界の思惑を田中角栄を人身御供に事件の収束をはかった。
日本にアメリカ製軍用機を買わせることで,日米安全保障体制の強化を名目に,アメリカの財政支出を減らしつつベトナム戦争後の軍需をささえる。そんな構図を読み取った。
E2C早期警戒機(ダグラス社)の導入をめぐるダグラス・グラマン事件については簡単に触れていただけだった。両事件とも田中角栄だけではなく少なくない政治家(「政府高官」)が関係していたはずだ。今回のドキュメンタリーが「日米双方の一級の資料を発掘し,重い口を開き始めた関係者の証言をたどってい」ったのはいいが,「政府高官」が明らかになってこそ「歴史的スクープ」になる。
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