1102橘木俊詔著『経済学部タチバナキ教授が見たニッポンの大学教授と学生』

書誌情報:東洋経済新報社,227頁,本体価格1,500円,2015年1月29日発行

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タチバナキ教授によれば,研究と教育の機能を分化させ研究を主とする大学と教育を主とする大学を分ける,研究費の教員への悪しき平等主義が蔓延っている,研究も教育もしない教授がいる,be動詞を教える大学があるなどのように「関係者がひた隠す不都合が真実」(帯の惹句)だらけだそうである。
「大学人とは一般社会では通用しない非常識な集まり」(49ページ)とのことだ。また,教育が中心であるべき大学において研究も教育もダメな教員が多いことが問題らしい。新任教員採用の際の模擬授業は「偏差値の高くない下位校」(192ページ)・「偏差値がそう高くなくて教育を重視する大学」(216ページ)に見られという価値判断(研究=上,教育=下)はどうしようもない。
京都大学経済学部でかつてあった同一時間帯の複数科目履修について,「(学力優秀な:引用者注)京都大学だからこれができた」(211ページ)のではなく,楽して単位を修得して卒業できるようにした「レジャーランド経済学部」生が編み出したウルトラCである。