1021橘木俊詔著『ニッポンの経済学部――「名物教授」と「サラリーマン予備軍」の実力――』

書誌情報:中公新書ラクレ(501),234頁,本体価格780円,2014年7月10日発行

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マクロ経済学ミクロ経済学統計学が主であとは傍流とする経済学観は日本学術会議経済学委員会・経済学分野の参照基準検討分科会による「経済学分野の参照基準」にもあった。ポリティカル・エコノミーや歴史的アプローチも経済学分野に不可欠である。
「猫文II」やら「パラ経」やら「アホウ政治学科」やら「学生一流,設備二流,教授三流」やら俗受けするフレーズを散りばめながら,アメリカ化された経済学(本書では「アメリカンPh.D.」)を基準にした経済学部評判記と各種ランキング・資料を使った実力判定はいかにも著者らしい。
「とりわけ入学者を選抜するにあたっては,東京高商では商業学校卒も入学させていましたが,中学校卒が中心だったのに対して,神戸高商は双方を入学させていましたが,商業学校卒を重視していました」(87ページ)。Ph.D.取得者がこんな日本語を書いたら「ダメよ〜ダメダメ」。