書誌情報:アスキー出版局,285頁;302頁,本体価格各1,600円,2001年7月5日
- 作者: 歌田明弘
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2001/06/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 歌田明弘
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2001/06
- メディア: 単行本
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前号の巻頭インタビュー(『コンピュータ&エデュケーション』第11号,2001年5月31日)に登場いただいた歌田さんの続編著作であり,『週刊アスキー』に連載された1997年12月から2001年4月あるいは5月までのものを,「科学技術」と「現代社会」に編成したものである。
たとえば新聞や雑誌には論壇時評のように活字メディアを対象にした論評がある。この新著はインターネット上にある多種多様な情報を対象にした時評・論評であり,新しいジャンルを開拓した労作であり,野心作である。
「科学技術」については,情報技術,生命科学,死の技術,宇宙,地球外知的生命探査,インターネット,反テクノロジー,ナノテクノロジー,ロボットなどのように,「現代社会」については,日本経済,グローバリズム,資本主義,政治,メディア,事件,海外ニュース,戦争,ゴシップ,情報戦争などのように,きわめて広範囲にわたるテーマが扱われている。未来を変える可能性を持つのはほかならぬインターネットに対面する「シロウト」だ,とする著者の姿勢は,「一般の人間も,科学の深奥部を自分の力で知る必要がある」(「科学技術」まえがき部分」)とする一句に凝縮されている。また,現代社会の構図が,あるときはインターネットに凝縮的に表現されていることもあり,活字メディア対象ではない本書の,読み物としてのおもしろさを示してもいる。
週刊刻みの時論がたんなる時論にとどまっていない。歌田さんの切れ味鋭い視点がきわだっている。