書誌情報:NTT出版,218頁,本体価格1,500円,2008年7月8日発行
初出:コンピュータ利用教育協議会『コンピュータ&エデュケーション』第25号,東京電機大学出版局,2008年12月1日(本エントリー掲載稿は最終原稿を元にしたもので,掲載稿と同一ではない)。また,かつて掲載したエントリーを修正したものである(https://akamac.hatenablog.com/entry/20081004/1223127246)。- -
ウェブは進化する,慈悲深い菩薩のように。ウェブの変化は,最初からまったく同じ方向に進んでいる。
グーグル,アマゾン,YouTubeなどを例に,最近のウェブサービスの特徴を「アーキテクチャ」(情報が整理されるしくみ)に即してまとめたものだ。最新のアーキテクチャは,コンテンツに内容にかかわる「属性情報」と評価に関する情報である「評価情報」(このふたつを「メタデータ」とよぶ)を不可欠としている。今後日常生活全般に関するありとあらゆる分野がウェブ上で扱われると予測し,「より多くの人に,より負担をかけずに,より多くの機会で」のメタデータの作成にもとめる。
ウェブ上では日常生活全般にかかわるあらゆる分野に広がり,データベースは標準規格あるいは標準の地位を占めたものに統一されていくと予測する。
ネット社会における意図せざる協働で共有地の悲劇を乗り越える。あまりに楽観的なウェブ論と批判もありえよう。しかし,ネット社会の負の部分をあれこれと論(あげつら)うよりはるかに意味のある提起だろう。